第1章 総則
第1条 独立的、公正、かつ速やかに民商事紛争を仲裁し、当事者の合法的権益の保護を保障するため、「中華人民共和国仲裁法」(以下、「仲裁法」という)及びその他関連法の規定に基づき、本規則を制定する。
第2条 ハルビン仲裁委員会(以下、「仲裁委員会」という)は、仲裁法の規定に基づき、中国ハルビンにおいて登記・設立した民商事紛争を解決する常設仲裁機構である。
仲裁委員会は仲裁員名簿を設置するものとする。
第3条 仲裁委員会は法に基づき、中華人民共和国国内外における平等な主体である自然人、法人、その他組織間で発生した契約紛争、その他財産権益に関する紛争を受理する。
第4条 仲裁委員会は、次の紛争事件を受理しない。
(1)婚姻、養子縁組、後見、扶養、相続等の紛争
(2)法に基づき、行政機関により処理されるべき行政争議事件
(3)労働争議及び農業集団経済組織内部の農業請負契約紛争
(4)法に基づき、他の専門機関または組織により裁判されるべき争議
第5条 仲裁委員会は、申立人の仲裁申立書及び当事者の仲裁合意に基づいて仲裁事件を受理する。
仲裁合意とは、紛争が発生する前または発生した後に、当事者が締結した、紛争を仲裁委員会による仲裁に付する旨の約定を指し、契約に定めた仲裁条項及びその他仲裁を申し立てる書面での約定を含む。
その他の書面での約定とは、契約、手紙及び電子データ並びにその他可視の合意形式にて成り立った仲裁申立の意思表示を指す。
第6条 仲裁合意は独立して存在し、契約の変更、譲渡、解除、終了または効力の未発生、無効、失効、取消しは、仲裁合意の効力に一切影響を及ぼさない。
第7条 仲裁廷は事件の事実と法の規定に基づき、公平、合理の原則に従い、独立的、公正、かつ速やかに仲裁を行う。
仲裁は、一回終局制度を実行する。
第8条 当事者は、仲裁委員会に仲裁を申し立てた場合、本規則に従い仲裁を行うことに同意したものとみなす。仲裁手続事項または仲裁に適用する規則について、当事者に別段の合意があり、かつ仲裁委員会が許可した場合は、その合意に従う。
第2章 申立てと受理
第9条 申立人が仲裁委員会に仲裁を申し立てる際には、次の条件に合致しなければならない。
(1)仲裁委員会に仲裁を申し立てる合意があること
(2)被申立人が明確であること
(3)具体的な仲裁請求や事実、理由があること
(4)仲裁事項が仲裁委員会の受理範囲内であること
第10条 申立人は、仲裁を申し立てる際、仲裁申立書及び次の資料を提出しなければならない。
(1)当事者の主体資格証明文書
(2)当事者の仲裁合意を記載した文書資料
(3)関連証拠資料
(4)仲裁委員会が提出を求めたその他の資料
申立人は仲裁廷を構成する人数と被申立人の人数に基づき、相応数の仲裁申立書副本及び前項で掲げた資料・文書を提出しなければならない。
第11条 仲裁申立書には次の事項を明記しなければならない。
(1)申立人と被申立人の基本情況:当事者が自然人の場合、その姓名、性別、年齢、職業、勤務先、常居所及び郵便番号、電話番号等を明記し、当事者が法人、その他組織の場合、その名称、住所及び郵便番号、電話番号、法定代表者または責任者の姓名、役職及び連絡方法を明記しなければならない。
(2)仲裁請求及びその根拠となる事実と理由
(3)仲裁申立書には申立人の署名がなくてはならず、申立人が法人またはその他組織の場合は、社印の押捺または法定代表者、責任者の署名がなければならない。
第12条 仲裁委員会は、受理条件に合致すると認めた場合、仲裁申立書を受領してから3日以内に、受理通知書及び仲裁委員会の仲裁規則、仲裁人名簿を申立人に送達する。申立人は、仲裁委員会が定めた期限内に仲裁費用を予納しなければならない。期限が過ぎて仲裁費用が未納であった場合、仲裁申立てを取り下げたものとみなす。
仲裁委員会は、受理条件に合致しないが、申立人が申立てを堅持する場合、申立人に対し受理しないことを書面にて通知し、かつ理由を説明する。
第13条 仲裁委員会は受理決定後、10日以内に被申立人へ仲裁通知書、仲裁申立書及びその付属文書、仲裁委員会の仲裁規則、仲裁人名簿を送達しなければならない。
第14条 被申立人は仲裁通知書等の法律文書を受領してから15日以内に仲裁委員会へ答弁書及び関連資料とともに、主体資格証明書を提出しなければならない。
第15条 答弁書には次の事項を明記しなければならない。
(1)被申立人の基本状況:当事者が自然人の場合、その姓名、性別、年齢、職業、勤務先、常居所及び郵便番号、電話番号等を明記し、当事者が法人、その他組織の場合、その名称、住所地及び郵便番号、電話番号、法定代表者または責任者の姓名、役職及び連絡方法を明記しなければならない。
(2)答弁意見及びその根拠となる事実と理由
(3)答弁書には被申立人の署名がなくてはならない。被申立人が法人またはその他組織の場合は、社印の押捺または法定代表者、責任者の署名がなければならない。
第16条 仲裁委員会は、被申立人が提出した答弁書及び関連資料、証明文書を受領してから3日以内に、答弁書副本及びその付属文書を申立人へ送達しなければならない。
被申立人が答弁書を提出しないまたは時間通りに提出しないことは、仲裁手続の進行に影響を及ぼさない。
第17条 当事者は、仲裁合意の効力または事件の管轄権に対し異議を有するとき、仲裁廷による第1回開廷前に書面にてその申立てをしなければならない。書面審理の事件においては、答弁期限満了前に書面にてその申立てをしなければならない。
当事者が前項規定により異議を申し立てなかったとき、その仲裁合意の効力及び仲裁委員会の仲裁事件に対する管轄権を認めたものとみなす。
当事者が仲裁合意の効力に対し異議があるとき、仲裁委員会の決定を求めるまたは、人民法院の裁定を求めることができる。一方の当事者が仲裁委員会の決定を求め、他方の当事者が人民法院の裁定を求めた場合、人民法院が裁定する。
当事者が仲裁合意の効力または仲裁事件の管轄権に対し、異議を申し立てた場合、仲裁委員会または仲裁委員会の授権を受ける仲裁廷がその決定を行う。
第18条 被申立人は反対請求をする権利を有する。反対請求申立書の書式、内容等の要求は、仲裁申立書と同じとする。
被申立人は仲裁廷による第1回開廷前に、仲裁委員会へ反対請求申立書を提出しなければならない。期限を過ぎて提出された反対請求申立書については、仲裁委員会において仲裁廷に意見を求めたうえ、それを受理するか否かを決定する。
仲裁委員会は、反対請求申立書を受領してから3日以内に、受理条件に合致すると認めた場合、受理しなければならず、かつ反対請求受理通知書を被申立人へ送達しなければならない。被申立人は仲裁委員会が定めた期限内に仲裁費用を予納しなければならない。期限を過ぎて仲裁費用が未納であった場合、仲裁反対請求を取り下げたものとみなす。
申立人は反対請求仲裁通知書を受領してから15日以内に、仲裁委員会へ仲裁反対請求答弁書を提出しなければならない。申立人が答弁書を提出しないことは、仲裁手続の進行に影響を及ぼさない。反対請求答弁書の書式、内容等の要求は仲裁答弁書と同じとする。仲裁請求事件と仲裁反対請求事件は審理を併合することができる。また、仲裁廷がその必要を認めたときは、仲裁請求事件と仲裁反対請求事件につき、それぞれ仲裁判断書を発行することができる。
第19条 申立人は仲裁申立てを取り下げる権利を有し、被申立人は反対請求申立てを取り下げる権利を有する。当事者が仲裁申立て、または反対請求申立てを取り下げた場合、仲裁委員会がその決定を行い、仲裁費用は仲裁委員会の関連規定に基づき処理する。
当事者が申立てを取り下げた後に翻意した場合は、改めて仲裁を申し立てることができる。
第20条 一方の当事者は、他方の当事者の行為またはその他の原因により仲裁判断の執行が不能または困難となる可能性がある場合に、財産保全を申し立てることができる。
当事者が財産保全の申立てをした場合、仲裁委員会は関連法律の規定に基づき、その申立てを管轄権のある裁判所に速やかに提出する。
第21条 当事者は代理人に仲裁活動への参加を委任することができる。委託代理人が仲裁活動に参加する場合、授権委任状及び委託代理人の身分証明文書を仲裁委員会に提出しなければならない。授権委任状には委託代理の事項及び権限を明記しなければならない。
当事者の委託代理人は一般的に2人を超えてはならない。
代理人の代理の権限が変更され、または代理関係が解除される場合、当事者は仲裁委員会に書面にて通知しなければならない。書面にて通知しない場合、元代理人の代理行為は当事者に対し引き続き有効である。
第22条 当事者は、仲裁廷における弁論の前に、書面にてその請求事項に対する変更を申し立てることができる。
仲裁委員会は仲裁請求変更の申立書を受領する場合、仲裁廷が構成される前において、仲裁委員会がそれを受理するか否かを決定するが、仲裁廷が構成された後において、仲裁廷がそれを受理するか否かを決定する。
仲裁委員会は仲裁請求変更の申立てを受理した後、その仲裁請求変更の申立書を受領してから2日以内に、それを相手方当事者へ送達しなければならない。当事者は仲裁請求変更の申立書を受領してから15日以内に、答弁書を提出しなければならない。
当事者が開廷審理において仲裁請求を変更する場合、相手方当事者が開廷審理において答弁しまたは答弁を放棄したとき、仲裁廷は審理を継続しなければならない。
第3章 仲裁廷の構成
第23条 仲裁廷は、3名または1名の仲裁人により構成される。仲裁廷が3名の仲裁人により構成される場合には、首席仲裁人を置く。
仲裁人は、仲裁委員会が提供した仲裁人名簿の中から選任されなければならない。
第24条 当事者は、3名の仲裁人により仲裁廷を構成することを約定した場合、仲裁通知を受領してから15日以内に、それぞれ1名の仲裁人を選任し、または仲裁委員会主任に1名の仲裁人の指定を委託しなければならず、かつ、共同で首席仲裁人を選任し、または仲裁委員会主任に首席仲裁人の指定を委託しなければならない。
当事者は、1名の仲裁人により仲裁廷を構成することを約定した場合、仲裁通知を受領してから15日以内に、共同で仲裁人を選任し、または仲裁委員会主任に仲裁人の指定を委託しなければならない。
当事者が上記期限内に仲裁人または首席仲裁人を選任できず、または仲裁委員会主任にその指定を委託できない場合、仲裁委員会主任が仲裁人または首席仲裁人を指定する。
第25条 当事者の一方が2名以上である場合、共同で1名の仲裁人を選任し、または仲裁委員会主任に仲裁人の指定を委託しなければならない。当事者が定められた期限内に合意を達成できない場合、仲裁委員会主任は仲裁人を指定する。
第26条 当事者は、黒竜江以外の地区に居住する仲裁人を選任する場合、事件の審理によって発生した仲裁人の出張旅費を負担しなければならない。仲裁委員会が定めた期限内にその出張旅費を予納しない場合、仲裁人を選任しなかったものとみなす。仲裁委員会主任は本規則の規定に基づき、仲裁人を指定することができる。
第27条 仲裁廷の構成後、仲裁委員会は、1名から2名の仲裁秘書を指定し、事件の記録、送達等の仲裁手続業務を担当させる。
第28条 仲裁委員会は仲裁廷が構成された後の5日以内に、仲裁廷の構成状況を書面にて当事者へ通知し、かつ、事件の関連資料を仲裁廷の構成員へ送達しなければならない。
第29条 仲裁人は、仲裁廷構成の通知を受領した後、自己に仲裁法第34条に掲げられた事情またはその他忌避の事由があると認めた場合、仲裁委員会へ報告したうえ、自ら忌避の申立てを行わなければならない。
第30条 仲裁人は、本規則第29条に定められていない事件の独立的・公正な審理に影響を及ぼしうる事由があると認めた場合、自発的に仲裁委員会へ書面にて開示しなければならない。
当事者は、仲裁人の書面による開示を受領してから5日以内に、忌避を申し立てるか否かについて書面にて意見を提出しなければならない。期限を過ぎて忌避を申し立てない場合、その後において、仲裁人が開示した事項を理由として忌避を申し立てることができない。
第31条 当事者は、仲裁人に忌避の事由があると考える場合、その忌避を申し立てる権利を有する。忌避の申立ては、第1回開廷前に書面にて提出されなければならない。
忌避事由が開廷後において知られた場合、忌避の申立ては、最終開廷の終結前に書面にて提出されることができる。書面にて提出されない場合には、仲裁人の忌避を申し立てないものとみなす。
忌避の申立てについては、その理由を説明し、かつ関連資料を提出しなければならない。
第32条 仲裁人の忌避の認否は、仲裁委員会主任が決定する。仲裁委員会主任が仲裁人を担当する場合において、仲裁委員会は、集団的に決定する。
第33条 仲裁人が事情により正常に責務を遂行できず、これにより、事件の審理が影響される場合、仲裁人本人または当事者は、いずれも仲裁人の交代を申し立てることができる。
仲裁人を交代するか否かは、仲裁委員会主任が決定する、仲裁委員会主任が仲裁人を担当する場合において、仲裁委員会は、集団的に決定する。
第34条 仲裁人の忌避または交代に関する決定が行われた後、それを当事者へ書面にて通知しなければならない。当該仲裁人が当事者によって選任された者である場合、当事者は通知を受領してから5日以内に、改めて仲裁人を選任しなければならない。
改めて仲裁人を選任する手続及び方式は、本規則の関連規定を適用する。
第35条 仲裁委員会は、仲裁廷の再構成の状況を書面にて当事者へ通知しなければならない。仲裁廷の再構成が仲裁人の忌避による場合、仲裁廷は、当事者の意見を求めたうえ、既に行なっている仲裁手続を再び行うか否かを決定する。仲裁廷の再構成が仲裁人の忌避によらない場合、仲裁廷は、自ら仲裁手続を再び行うか否かを決定することができる。
第4章 証拠
第36条 当事者は自己の主張に対し、立証責任を負う。
証拠がない、または提出した証拠が当事者の主張した事実を証明するには足りない場合、立証責任を負う当事者が不利な結果を負担する。
第37条 当事者は第1回開廷前に証拠資料を提出しなければならない。第1回開廷前に提出しない場合、仲裁廷が定める期限内に提出しなければならない。期限を過ぎて提出しない場合、立証する権利を放棄したものとみなす。ただし、当事者に別段の合意がある場合は、この限りではない。
当事者が立証期限内に証拠資料を提出することが確実に困難である場合、立証期限内に仲裁廷へ立証期間の延長の書面申請を提出しなければならない。これの認否は、仲裁廷によって決定される。
当事者が不可抗力により期限を過ぎて提出した証拠資料に対し、仲裁廷はこれを受け付け、証拠抗弁を組織するか否かを決定する。
第38条 当事者は、次の事実を立証、証明することを要しない。
(1) 相手方当事者が自ら認める事実
(2) 周知の事実
(3) 自然法則及び定理
(4) 法律規定または既知の事実、日常生活上の経験則から推定しうる別の事実
(5) 既に効力の生じた法律文書により確認される事実
(6) 既に有効な公証文書により証明される事実
前項(1)、(2)、(4)、(5)、(6)号については、当事者が反対の証拠をもってそれを否定しまたは否定するに足るときは、この限りではない。
第39条 当事者において提供する証拠は、当事者の陳述、書証、物証、視聴覚資料、電子データ、証人の証言、鑑定意見、検証調書を含む。
書証及び物証は、原本でなければならない。原本の提供が確実に困難である場合は、その複写、抜粋、写真等を提供することができる。ただし、その出所を明示しなければならない。
仲裁廷は、外国語の書証が提供された場合において、その必要を認めたときは、当事者に対し、公証を受けた中国語訳本の提供を要求することができる。
第40条 当事者は、その提出する証拠資料につき証拠目録、証拠明細を作成しなければならず、証拠資料を逐一分類して整理番号を付し、頁番号を表記するとともに、その出所、証明の対象、内容の概要を明示し、署名捺印のうえ、提出日を明記しなければならない。
第41条 仲裁廷は、その必要を認めた場合、自ら調査し証拠を収集することができる。仲裁廷は、この調査、証拠収集をするにあたり、各当事者に立会いの通知をすることができる。当事者がこの立会いをしないことは、仲裁廷による調査、証拠収集に影響を及ばさない。
当事者は、仲裁庭が収集した証拠に対し証拠答弁を行うことができる。
第42条 事件審理の必要に応じて、仲裁廷は、事件の審理において関わった判断の難しい問題につき、専門家諮問委員会に諮問することができる。この専門家の意見は、仲裁廷が仲裁判断を下すにあたっての参考とすることができる。
第43条 事件審理の過程において、仲裁廷は、物証及び現場に対する検証を行う必要を認めたときは、その検証を手配することができる。仲裁廷がこの検証の手配をするにあたっては、当事者に対して速やかにその通知をしなければならず、一方または双方の当事者が立会いをしないことは、検証の実行に影響を及ぼさない。検証の手続及び過程は、業種別規範と適合するものでなければならない。
仲裁廷は、検証の状況及び結果を記録した文書を作成しなければならず、検証人、当事者及びその他関係者においてこれに署名する。
第44条 証拠が滅失しまたは以後において取得困難となるおそれがあるときは、当事者において、証拠保全を申し立てることができる。
当事者から証拠保全の申立てがなされたとき、仲裁委員会は、法律規定に基づき、その申立てを証拠所在地の基層人民法院に提出する。
第45条 当事者が鑑定を申し立て、仲裁廷がこれに同意した場合、または当事者から鑑定が申し立てられることなく、仲裁廷が鑑定の必要を認めた場合においては、仲裁廷は、双方の当事者に対し、定められた期限内に鑑定機関または鑑定人を共同して選任する旨の通知をすることができる。これにつき当事者が合意に達しないときは、仲裁廷において鑑定機関または鑑定人を指定する。
鑑定の費用は、これを申し立てた当事者において予納する。双方の当事者が同時に鑑定の申立てをしたときは、鑑定の費用の半額をそれぞれ予納する。この予納がなされないとき、仲裁廷は、関連する鑑定を行わない決定をすることができる。
本規則に定める鑑定とは、専門機関または専門家において、専門性を有する特定の問題または事項につき、監査、評価、検査等の技術的手段を用いて鑑別、評定、判断を行うことをいう。
第46条 仲裁廷が鑑定の委託に同意したときは、当事者は、これに協力しなければならない。正当な理由なく鑑定に必要な資料の提出若しくは鑑定への協力を拒否したことにより鑑定を行うことができなくなり、または鑑定の結論に影響を与えたときは、それにより生じた法的結果につき責任を負わなければならない。
第47条 鑑定報告の副本は、開廷前にこれを双方の当事者に送達しなければならない。当事者は、鑑定報告に対し、書面にて抗弁意見を提出することができる。
仲裁廷は、その必要を認めたときまたは当事者からの申立てにより、鑑定人に対し、開廷審理における証拠抗弁のため出廷する旨の通知をしなければならない。当事者は、鑑定報告の関連事項につき、鑑定人に対し質問をすることができる。
第48条 証拠は、開廷時にこれを提示し、仲裁廷において、当事者に証拠抗弁をさせなければならない。証拠抗弁を経ていない証拠は、事実認定の根拠とすることはできない。
当事者が仲裁廷において提示した証拠に対し、相手方当事者が仲裁廷における証拠抗弁に同意しないときは、仲裁廷は、相手方当事者に合理的な証拠抗弁の準備時間を与えるとともに、反証の提出を許可しなければならない。また、証拠抗弁意見を定められた期限内に書面をもって提出することを当事者に要求することもできる。
第49条 仲裁判断を下す前において、事件に対する判断の結果に著しい影響を及ぼしうる重大な事実につき、仲裁廷は、審理の必要に基づいて、当事者に証拠の補充を要求することができる。
第50条 仲裁廷は、当事者による証拠抗弁を経た証拠に対し、評価を行わなければならない。
一方の当事者が他方の当事者の陳述した事実に対する承認も否認もせず、仲裁廷の十分な説明及び尋問を経た後も依然として肯定、否定の表示を明確にしないときは、その事実に対する承認があったものとみなす。
当事者が仲裁申立書、答弁書、陳述及びその他意見書面において承認した自己に不利な事実及び証拠は、これについて自認があったものとみなし、仲裁廷は、このことを確認する。ただし、当事者が翻意して、反対の証拠をもってそれを否定するに足るときは、この限りではない。
一方の当事者が証拠を有しながらその提供を正当な理由なく拒んでいることが証拠をもって証明された場合において、相手方当事者が、その当事者の有する証拠の内容が同人自身に不利であるとの主張をしたときは、この主張は成立するものと推定することができる。
第5章 審理
第51条 仲裁廷は開廷して事件を審理する。当事者が開廷しないことに合意した場合、書面にて審理することができる。
第52条 仲裁は一般的に、審理を公開しない。双方当事者のいずれもが公開に同意した場合、仲裁廷の許可を経て、審理を公開することができる。
当事者及びその代理人、証人、鑑定人、通訳、仲裁人、仲裁廷が諮問する専門家、仲裁委員会の関係者は、事件の本案及び手続に関連するいかなる状況をも、外部に漏洩、開示してはならない。法律に別段の規定がある場合はこの限りではない。
第53条 審理の開廷地は、仲裁委員会の所在地または仲裁委員会が便利、経済の原則に従い確定したその他の場所とする。開廷地点は録音、録画の条件を整えなければならない。当事者に別段の合意がある場合、または当事者が共同で要求し、仲裁委員会の同意を経た場合、その合意に従うが、当事者がこれにより発生する関連費用を負担しなければならない。
第54条 一方の当事者が同一である2件または2件以上の事件において、その仲裁の対象が共通または同一種類もしくは密接な関係があり、かつ仲裁廷が同じ仲裁人で構成される場合、当事者の同意を経て、審理は合併されることができる。
第55条 申立人は書面での通知の結果、正当な理由なしに出廷しない場合、または仲裁廷の許可を経ずに途中で退廷をした場合は、仲裁申立てを取り下げたものとみなす。ただし、これは、仲裁廷が被申立人の反対請求に対し欠席審理を行うことに影響を及ぼさない。
被申立人は書面での通知の結果、正当な理由なしに出廷しない場合、または仲裁廷の許可を経ずに途中で退廷をした場合は、仲裁廷は欠席審理を行うことができる。被申立人が既に申し立てた反対請求は、取り下げたものとみなす。
第56条 仲裁廷は、開廷10日前に開廷通知書を当事者へ送達しなければならない。当事者双方が合意し、仲裁廷の同意を経た場合は、開廷期日を繰り上げることができる。当事者が正当な理由があり、開廷日の延期を申し立てる場合、開廷5日前までに書面にて提出しなければならない。期日を延期するか否かは、仲裁廷が決定する。
再度開廷日の通知は、前項規定の制限を受けない。
第57条 仲裁廷は、第1回開廷時に仲裁廷の構成員名簿を公布し、また、仲裁員の忌避を当事者が申し立てるか否かを問わなくてはならない。当事者が忌避の申立てをした場合、仲裁廷は、忌避理由を開廷審理記録に記入し、また開廷を中止しなければならない。仲裁廷は、当事者の書面での忌避の申立てを速やかに仲裁委員会主任へ報告しなければならない。
開廷審理において、当事者は陳述を行い仲裁請求を明確にし、証拠を提示し、証拠に対して証拠抗弁、弁論を行い意見陳述を表明する権利を有する。弁論終了時、仲裁廷は当事者の最終意見を問わなければならない。
第58条 仲裁廷は、開廷して事件を審理する場合、開廷審理の記録を作成しなければならない。当事者及びその他の仲裁参加者は、自己の陳述の記録に脱漏もしくは誤りがあると判断した場合、開廷日から3業務日以内に、その補正を申し立てる権利を有する。補正するか否かは、仲裁廷が決定する。仲裁廷が補正に同意しない場合、この申立てを記録しなければならない。
開廷審理の記録には、仲裁人、記録者、当事者及びその他の仲裁参加者が署名をする。
第59条 当事者は、仲裁を申し立てた後、自ら和解することができ、仲裁廷が構成される前に仲裁委員会へ調停を申し立てることもできる。和解(調停)合意が成立した場合、和解(調停)合意に基づき調停書または仲裁判断書を作成するよう仲裁廷へ申し立てることができ、仲裁申立を取り下げることもできる。
和解合意が成立し、一方の当事者が仲裁申立てまたは仲裁反対請求の申立てを取り下げた後、他方の当事者が翻意した場合、仲裁合意に基づき新たに仲裁を申し立てることができる。
第60条 仲裁廷が構成される前に、双方の当事者が仲裁委員会へ調停を申し立てた場合、仲裁委員会は人員を指定して法廷外の調停を行わせることができる。
仲裁廷は、調停を行う場合、1名の仲裁人で進行を行うことができる。調停が不成功であった場合は、仲裁廷は速やかに仲裁判断を下さなければならない。
第61条 一方の当事者が事件の第三者の調停への参加を申し立て、他方の当事者及び事件の第三者が同意した場合、仲裁廷は事件の第三者に調停への参加を通知することができる。事件の第三者が民事責任を負うことに同意する場合、仲裁廷はそれを許可する。ただし、国家利益や社会公共利益を損なう場合は、この限りではない。
第62条 当事者または仲裁人が調停の過程において表明した陳述、意見、見解、建議は、いずれの当事者も、その後の仲裁手続、司法手続、またはその他のいずれの手続においても援用してはならず、仲裁廷もそれらを仲裁判断の根拠とすることはできない。
第63条 調停が合意に達した場合、当事者は仲裁申立てを取り下げることができ、仲裁廷に調停合意の内容に基づき、調停書または仲裁判断書を作成するよう仲裁廷に申し立てることもできる。
第64条 調停書には、当事者の状況、仲裁請求及び当事者の合意の結果を明記しなければならない。
調停書は、仲裁人が署名し、仲裁委員会の印章を押捺してから当事者双方へ送達される。
調停書は当事者双方が署名して受領した後、法的効力が発生する。
調停書は仲裁判断書と同等の法律的効力を有する。
第65条 事件の審理が第三者にまで及ぶ場合、第三者が自ら仲裁への参加を申し立て、かつ各当事者が同意するならば、新たな仲裁合意が達成されたとみなし、第三者が仲裁に参加することが認められる。
一方の当事者が第三者による仲裁への参加を申し立て、他方の当事者がそれに同意した場合、出廷し仲裁へ参加することを第三者に通知することができる。第三者が出廷し仲裁へ参加することに同意した場合、新たな仲裁合意が達成されたとみなし、第三者が仲裁に参加することが認められる。第三者が出廷し仲裁へ参加することに同意しないとき、仲裁廷は、第三者が出廷しなければ基本的な判断条件を備えないと判断する場合において、申立人へ申立てを取り下げるよう提案することができる。申立人が申立ての取下げに同意しない場合、仲裁廷は、仲裁申立の棄却を裁決することができる。当事者の一方または双方が仲裁合意の解除を主張した場合、仲裁合意の解除を裁決しなければならない。
第66条 仲裁判断の前に、仲裁請求及び反対請求が全て取り下げられた場合、仲裁委員会は事件の取消決定をしなくてはならない。
第6章 仲裁判断
第67条 仲裁廷が3名の仲裁人により構成される場合、仲裁判断は、多数の仲裁人の意見により作成されなければならず、少数の仲裁人の異なる意見については、仲裁廷の合意記録へ記入しなければならない。多数意見を形成し得ない場合は、仲裁判断は、首席仲裁人の意見により作成される。
仲裁廷が1名の仲裁人により構成される場合、仲裁判断は、仲裁人が直接作成する。
第68条 仲裁廷が事件審理を行うとき、事実が既に明らかな部分について、先に仲裁判断を下すことができる。
第69条 当事者の申立てを経て、仲裁廷は、敗訴した当事者に勝訴した当事者の仲裁事件の処理のために支出した合理的な費用を補償させると判断することができる。
仲裁廷は仲裁判断書において、双方当事者が負担すべき仲裁費用を決定する権利を有する。仲裁費用は敗訴した当事者が負担するが、仲裁廷は、当事者の過失責任及び仲裁判断の結果に基づき、仲裁費用の負担比率を決定することができる。
第70条 仲裁廷は構成されてから4ヶ月以内に、事件の審理を終了しなければならない。特殊な状況があり、仲裁期限の延長が必要とされる場合、首席仲裁人が仲裁委員会主任へ報告し、その許可を得た後、適切に延長することができる。
上記期間には、仲裁手続の中止期間及び鑑定期間を含まない。
第71条 仲裁判断書には、当事者の状況、仲裁請求、紛争事実、仲裁判断の理由、仲裁判断の結果、履行期限、仲裁費用の負担及び仲裁判断の期日を明記しなければならない。当事者に別段の合意がある場合、または当事者双方の和解合意に従い判断を下した場合、紛争事実及び仲裁判断の理由を明記しないことができる。
仲裁判断書には仲裁人が署名し、また、仲裁委員会の印章を押捺する。仲裁判断について異なった意見を持つ仲裁人は、署名することも、署名しないこともできる。
第72条 仲裁判断書は、その作成日より、法的効力が発生する。
当事者は仲裁判断書に決められた期限内に、仲裁判断を履行しなければならない。一方の当事者が仲裁判断を履行しない場合、他方の当事者は、法に基づき、管轄権を有する人民法院に強制執行を申し立てることができる。
仲裁判断がなされてから、当事者が同一紛争で新たに仲裁を申し立てた場合、仲裁委員会はその申立てを受理しない。
第73条 仲裁判断書の中の文字、計算に誤りがある、または仲裁廷意見の部分に当事者の仲裁申立事項について判断を下したにもかかわらず、判断書本文への記入に漏れがあった場合、仲裁廷は自らその訂正をしなければならない。
当事者は仲裁判断書に前項規定の事由があることに気づいた場合、仲裁判断書の受領から30日以内に、仲裁廷に対し書面にて訂正を申し立てることができる。
仲裁廷が行った訂正判断は、当初仲裁判断書の一部とする。
第7章 簡易手続
第74条 次に定める事件には、簡易手続を適用する。
(1)紛争の対象物の価額が50万人民元以下である事件。ただし、当事者が普通手続の適用に合意した場合、または事件が複雑で、判断がつかず、普通手続の適用をすべきと仲裁委員会が認めた場合は、この限りではない。
(2)紛争の対象物の価額が50万人民元を超えるが、当事者が簡易手続の適用に合意した事件。
(3)当事者が仲裁請求を変更した後の紛争の対象物の価額が50万人民元を超える事件、または紛争の対象物の価額に被申立人の反対請求の金額を加えた紛争の対象物の価額が50万人民元を超える事件は、本章の規定を適用することができる。ただし、当事者が一致して本章の規定を適用しないことに合意した場合、または仲裁委員会が本章規定の適用をすべきでないと認めた場合は、この限りではない。
(4)仲裁廷が構成される前において、普通手続が本来適用される事件につき一方の当事者が仲裁申立てまたは反対請求を取り下げた場合、取り下げられなかった仲裁請求または反対請求の金額が50万人民元を超えないときは、簡易手続を適用することができる。
(5)紛争の対象物の価額がなく、またはそれが不明確である事件については、仲裁委員会において、事件の複雑性、社会的影響のほか、当事者の利益の程度等の要素を総合的に考慮して、簡易手続を適用するか否かを決定する。
第75条 簡易手続が普通手続に変更された場合、または普通手続が簡易手続に変更された場合、当事者は手続変更通知を受領してから7日以内に、本規則に従い仲裁人を選任する。
新しい仲裁廷が構成される前に、既に行っている仲裁手続を再び行うか否かは、新しい仲裁廷が決定する。
第76条 仲裁委員会は、仲裁申立ての受理後、速やかに当事者双方へ受理通知書、仲裁通知書、仲裁規則、仲裁人名簿を送付するとともに、被申立人に仲裁申立書の副本及びその付属文書を送達しなければならない。
第77条 被申立人は仲裁申立書の副本を受領してから7日以内に、仲裁委員会へ答弁書及び関連証明文書を提出しなければならない。反対請求がある場合、この期限内に反対請求の申立書及び関連証拠資料も提出しなければならない。期限を過ぎて提出された反対請求申立書については、仲裁委員会において仲裁廷に意見を求めたうえ、それを受理するか否かを決定する。
第78条 簡易手続の仲裁事件を適用する場合、仲裁廷は1名の仲裁人で構成する。
当事者は仲裁通知を受領してから7日以内に、共同で選出し、または仲裁委員会主任へ委任して仲裁人を指定する。期限が過ぎても選出しない場合は、仲裁委員会主任が指定する。
仲裁廷が構成された後、仲裁委員会は仲裁廷構成通知書を当事者双方へ送達しなければならない。
第79条 仲裁廷は開廷の5日前に、開廷通知書を当事者へ送達しなければならない。
当事者に正当な理由があり、開廷日の延期を申し立てる場合、開廷3日前までに書面にて提出しなければならない。期日を延期するか否かは、仲裁廷が決定する。
再開廷期日の通知は、本条第1項の制限を受けない。
第80条 独任仲裁人は、自己が適切と認める方法で事件を審理する権利を有し、開廷審問、証拠抗弁、弁論及び調停を重畳的に行うことができる。
第81条 審理中に、事件が複雑で、普通手続に移動させる必要があると気づいた場合、仲裁廷が仲裁委員会主任に申請し、許可を得た後、普通手続に移動させることができる。
第82条 仲裁廷は、その構成から2月以内に審理を終了しなくてはならない。
特殊な状況があり、仲裁期限の延長が必要な場合、仲裁人が仲裁委員会主任に報告し、許可を得た後、適切に延長することができる。
第83条 本章で規定されていない事項については、本規則におけるその他各章の規定を適用する。
第8章 渉外仲裁手続
第84条 一方または双方の当事者が、外国人、無国籍者、外国企業及び組織である仲裁事件の場合には、本章規定を適用する。
一方または双方の当事者が香港特別行政区、マカオ特別行政区もしくは台湾地区のものである仲裁事件の場合には、本章規定を参照、適用する。
当事者のあらゆる仲裁関連文書について、いずれも中国語の翻訳文の提出が必要であり、訳文に関し争議がある場合には、仲裁廷が決定し、処理する。
事件に渉外要素があるか否かについて、当事者間に争議がある場合には、仲裁廷が決定する。
第85条 被申立人は、仲裁通知書を受領してから45日以内に仲裁委員会へ書面にて答弁書を提出しなければならず、同時に次の資料を提出しなければならない。
(1) 被申立人の登録・登記、国籍等の主体資格の証明文書
(2) 答弁書と関連のある証拠資料
(3) 自らの意見を支持する証明文書
被申立人が答弁書を提出しなくても、仲裁手続の進行には影響を及ぼさない。
第86条 被申立人は、反対請求を申し立てる場合、仲裁通知を受領してから45日以内に反対請求の申立書を仲裁委員会に提出しなければならない。
申立人は反対請求の通知書を受領してから45日以内に、仲裁委員会に反対請求に対する答弁書を提出しなければならない。提出がなくても、仲裁手続の進行には影響を及ぼさない。
第87条 当事者双方は仲裁通知を受領してから20日以内に仲裁廷の構成員を選定しなければならない。
第88条 仲裁事件の第1回開廷に際しては、開廷の30日前までに開廷通知書を当事者双方に送達しなければならない。
当事者が正当な理由があり、開廷日の延期を申し立てる場合、開廷10日前までに書面にて提出しなければならず、期日を延期するか否かは、仲裁廷が決定する。
第89条 仲裁廷は、その構成日から6月以内に審理を終了しなくてはならない。
特殊な状況があり、仲裁期限の延長が必要とされる場合、独任仲裁人または首席仲裁人が仲裁委員会主任に報告し、許可を得た後、適切に延長することができる。
第90条 渉外仲裁事件の当事者が仲裁合意の効力に対し異議を有する場合、仲裁委員会は、当事者が協議により選択した法律に基づき、仲裁合意の効力について決定しなければならない。
当事者が選択をしていない場合、仲裁委員会は、中国の法律を適用し、かつ、最も密接な関連原則により決定する。
第91条 渉外仲裁事件の仲裁廷は、当事者が適用することを選択した実体法に基づき、争議に関する仲裁判断を行う。当事者が選択していない場合、仲裁廷は最も密接な関連原則に基づき、国際条約、国際慣例または仲裁廷が適当と認めた1つまたは複数の国家の法律もしくは中国の法律を適用する。
第92条 本章に規定していない事項については、本規則のその他各章の規定を適用する。
第9章 附則
第93条 仲裁委員会の仲裁事件については、中国語を正式な言語文字とする。当事者に別段の約定があり、かつ仲裁委員会の同意を経た場合には、その約定に従う。
仲裁手続において言語の翻訳を必要とする場合、当事者双方は、共同で通訳者を選任することができる。仲裁委員会による通訳者の提供を必要とする場合、費用は当事者が負担する。
第94条 法律に仲裁の時効に対する規定がある場合は、その規定に従う。法律に仲裁の時効に対する規定がない場合は、訴訟時効の規定を適用する。
第95条 本規則にいう「内」、「以上」、「以下」はその数を含み、「超える」、「前」はその数を含まない。
本規則の規定が、日、月にて期間を計算する場合、開始日は数えず、翌日より計算する。
期間満了の最終日が法定の休祝日であった場合、休祝日の翌日を期間の最終日とする。期間最終日の締切時間は業務活動を停止する時間とする。
期間には輸送中の時間を含まず、仲裁文書、資料、通知が期間満了前に投函・送付された場合は、期間内とする。
第96条 仲裁文書、通知及びその他の資料は、直接当事者またはその代理人に送達することができ、書留郵便、EMS、ファクシミリ、電報、公告等の方式で当事者またはその代理人に送達することができる。
仲裁委員会または仲裁廷は、一方の当事者に対し、他方の当事者への仲裁文書、通知及びその他資料の送達を委任することができる。送達が成功しなかった場合、本規則が定めるその他の方式にて送達する。
当事者が仲裁文書の受領を拒絶した場合には、差置送達にすることができる。
第97条 当事者は送達先確認書を発行し、住所が不正確で送達できない場合の法的結果について、責任を負わなければならない。
仲裁文書を当事者の住所地、営業地、または当事者が提供した住所地、居住地、営業地、通信地もしくは他人に知られたものであることを証拠をもって証明できる最後の住所、営業地、通信地に送達した場合は、すでに送達したものとみなす。
第98条 本規則に関連法律法規及び国際慣例との齟齬があった場合、関連法律法規及び国際慣例に準ずるものとする。
仲裁委員会は必要に応じ、専門規則を制定することができ、専門規則と本規則は、同等の効力を有する。
第99条 本規則はハルビン仲裁委員会がその解釈の責を負う。
第100条 本規則は2013年2月1日から施行する。2001年5月17日に、第2期ハルビン仲裁委員会第2回会議において改正・採択した「ハルビン仲裁委員会仲裁暫定規則」は同時に廃止する。